- 2017.9.15
- 提案がワンパターンにならないために
個人的な好みのヘアスタイルをあえて持たない
人にはそれぞれ好き、嫌いがありますがあえて仕事上で個人的な好みは作らなくしています。
それはまさに当店ならではの事情と、私自身への戒めでもあります。
1つの日常的なヘアスタイルを作るのであれば、端的に言うと髪が長いか、短いか、まっすぐか、カール(うねり)しているかウェーブ(波状)かしかありません。
それが土台(骨格)の上に乗っかり人それぞれの形に変化していきます。
パーツごとに組み合わさってシンプルな髪型、複雑な髪型が作られています。
私がもし好みを強く持ってしまった場合、悪く言えばヘアスタイルの”偏り”が生まれます。
よく言えばその”偏り”が、特徴になり、強みになります。
もし私が〇〇スタイルが得意!と言ってしまったり、この方には、これが一番似合います!と断言してしまった場合、幅の狭い選択肢の中から選ばなくてはいけなくなってしまいます。
その提案がうまく伝わらなかったり、もしくは飽きられてしまった場合は、他の人(他のスタッフ)に乗り換えることのできない個人店にはさよならを意味します。
好みスタイルを持っていた時なんかは何度か笑顔で再来店されたのち突如、来なくなってしまったり、あなたにはこれが一番だ!何て言ってしまったら、やっぱり飽きられてしまいますよね。
本当のところはお客様しかわかりませんが、いろんな幅の狭さが原因の一つになっているかもしれません。
経験した大型サロンの強み
私が以前働かせて頂いた美容室は、500人の仲間がいました。とりわけ私が働いていた店舗は、常時、25〜30人のスタッフとともに働いていた大型店舗でした。
技術レベルの統一というのは組織として必然ですが、個性の統一は必要ありません。
一人一人のスタイリストが得意スタイルや、好きなデザイン、イメージを持っていた方が、1店舗で様々なお客様を満足させることができました。
ギャルに詳しい若いスタッフが、ギャルスタイルを好んで自然と勉強に取り組む姿勢は、決して仕事としてだけではなく、紛れもなく”好き”から入っていることもあり、レパートリーも多く上手です。
ギャルの髪型だけでなく、スタッフ自身が”ギャル”を楽しみ服装、音楽、流行を楽しんでいきます。
会話も同じ趣味、思考を持つギャル同士の会話なんて、すごすぎて当然入っていけません。
様々な強みを持った個々の集団こそが、多人数サロンさんの一番の強みのはずです。
私の以前働いていた会社もそうであり、様々な感性を持った人が集まり、それぞれ補いあっていたのです。
提案がワンパターンにならないために
私たちのお店はご存知のとおり、夫婦で営む小さな個人美容室です。
好き好んでこの小さな美容室にこだわり、良さを最大限に生かすために日々工夫をしています。
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ヘアデザインを決めるにあたってあえて言うならば、この
”個人的な好みスタイル”をあえて持たないことに工夫しています。
カットは私一人ですが、ヘアスタイルは多種多様。お店を出て行くお客様の後ろ姿もいろいろです。
私の意識には、たくさんのヘアデザイナーがいる店のようなイメージにしたいのです。
そのためには過去のサロンの経験も踏まえて、今の”好みスタイルを持たない”仕事がしっくりくるようになりました。
ヘアスタイルの幅の狭さ、視界の狭さを軽減し何でも決めつけず、トライする姿勢でヘアスタイルをお客様と一緒に探します。
私たちが仕事をするうえで好みスタイルを持たないということは非常にリスキーで困難な時もあります。
どんなに時間をかけてカウンセリングをしても、お客様の口から”なりたいイメージ”が出てこなかったり、することは多々あります。
時々じれったくて、つい『すべてお任せください』と言いたくなります。
得意なスタイルがあれば、そんなやりたいことのないお客様や、話し合いに時間がかかるお客様にとにかく自信のある”オススメ”のヘアスタイルを提案してしまいがちです。
好みスタイルを持たないとは、私の意識の問題で、パターン化しないという暗示みたいなものです。
パターンを持たないカウンセリングは、ご新規様の場合、時として一時間を超えることもしばしばあります。
それでも、思考の幅、選択肢の幅が狭くなるよりお客様の満足を大切にしたいです。
少人数でのメリットを最大限活かしたい。ヘアスタイルの幅は、考え方で広くなります。
私はあえて”好みのスタイル”は作りません。