- 2016.10.25
- 後出しジャンケンはしない
あなたは子供の頃、よくジャンケン遊びをしましたか?人差し指を一本出してよく”ドリル”って出して無敵になったり、後出しジャンケンが上手な友達もいましたよね。
今日は我々のあるあるシリーズから、”美容師後出しジャンケン”についてです。
お客様の世代によっては、ある世代からは美容師さんを先生と呼びました。たまに私も言われたりしますが恥ずかしいような感じですので名前で呼んでいただいております。
今の50代ぐらいの方たちからは,そう呼ばないと思いますが田舎に行けば行くほどまだまだ ”先生” とはさすがに呼びませんが、美容師さんの言うことは絶対のような関係性が多く感じます。
どちらかというと、思ったことを美容師さんに言いづらい、我慢してしまうというなでしこ系女性の方が非常に多い気がします。
もしかしたらご家庭や、職場では違うキャラなのかもしれませんが、美容室ではかしこまってしまう方も意外に多いのではないでしょうか?
ご自分のご意見を言える方もいらっしゃいますが、ごくわずかです。勇気を振り絞って言ったとしても、言いくるめられてしまったという経験は一度や二度はあるのではないでしょうか。
私たちは、美容に関してはプロですが、接客のプロでもあります。自分たちの都合の良いように変えてしまえる魔法の法則があります。
狙えばほとんど泣き寝入りまでもっていけるのです。
私は”後出しジャンケン”と呼んでいます。
わかりやすく例えるならば、パーマの仕上がりの時に明らかにイメージが違う、パーマがかかっていなかったり、かかりすぎたりした時に言われがちな話です。
”お客様の髪質がぁ・・・。先に言ってくれ
””そのうちいい感じになりますよ” 今いい感じにしてくれ
”強めにパーマかけときましたよ” 頼んでもいないのに勝手にイメージ変えないで
と仕上がり付近に唐突に告げられる。なんとなくシャンプー台から帰ってきてお客様は怪しい感じに気づいているのですが、当たり前ですが我々はもっと前から気づいているのです。
これは、美容師のいわゆる接客上のクレーム対策パターンもしくは危険回避パターンなのです。
まるで自分の髪質が悪いみたいな話になってしまう。あくまでも言われたことをやっただけみたいな口調。急に担当者からお手伝い代理みたいに変身してしまうこの後出しジャンケン・・・
実は誰しもが美容師ならば(社会人ならば)円滑に仕事をする上で必要なスキルなのです。
誰しもが、この後出しジャンケンを身につけ、経験し通る道なのです。
自分を守るために、会社を守るために・・・。
ただし、ある程度やってくるとわかってくるのですが、後出しジャンケンをする人ほどお客様の信用は低く、リピートされません。
どこかで勇気を出し、後出しジャンケンをやめる努力をしなければなりません。
言ったことを実現していける実力を身につけなければ、後出しジャンケンはやめられないでしょう。
こういった公言を普段してしまっている私はもちろん後出しジャンケンはしません。時には技術的に難しいことももちろんあります。その時はカウンセリングで事前にお伝えし、さらに技術中であらゆる可能性をお伝えしています。見極めが必要なカウンセリングはカットや、パーマ以上に奥が深いし、難しいです。この仕事に絶対はないのですから慎重に越したことはありません。
もしも出来上がりがおかしな時に、
後出しせず、正直にその方とヘアスタイルに向き合えたのなら、たとえ力不足でもまた来ていただけることも多いです。結局最後は人なのかもしれないですね。
また今日から私も日々努力していかねばと、想う限りです。