「きれい」を「楽しむ」美容院 BBQ(Best Beautiful Quality)

コラム
  • 2016.11.15
  • ブローの必要性
 

よく美容室に行くと、家ではできないような手際よくブローする姿を見かけませんか。あんなにしっかりブローされても家ではできないよ・・。

と思うことと思います。ですがブローが上手にできていないサロンには、きっとお客様はそんなに支持もされないでしょうし、綺麗だと思わないでしょう。

ブローとはヘアスタイルの表現、再現の基礎そのものだからなのです。

今回は、私自身がブローについて学んだことをお話しします。

通常、専門学校を出て美容室に入社して、ハサミを持つ一人前の美容師になるまで約3年から5年の時間と経験が必要とされます。

もちろん、教育の行き届いた大きな会社や、やり手の個人オーナーのマンツーマン指導など入るところによって様々ですが、接客と技術どちらも長い時間経験を要する仕事には間違いがないです。

私で、最初の会社で3〜4年、後の会社で1年近くアシスタント業をしていましたが、それはいろいろ、嬉しいことや、逃げ出したくなる失敗を数え切れないほど経験させてもらえたわけです。

私なんて、18歳高校卒業と同時に美容室で働き始めたわけですから、何もわからない、何もできない、はともかく。根性も腐ってる、人としても今思えばカス人間をここまで育ててくださったことに感謝しかありません。

当時の先輩、お世話になった先輩たちに一人一人会えたら、どう感謝を伝えたらいいだろうか。なんて話せばいいだろうか。なんて思ったりします。

アシスタントの仕事といえば、掃除から、準備、シャンプー、カラー剤を塗布、パーマの補助、マッサージなど様々ですが

ダントツで難しい技術が、まさにブローだったわけです。

美容師のレッスンカリキュラムで長い間、レッスンを受けるのがブローです。最初は、新人ながら疑問に思うわけです。

カラーは失敗すれば、ムラになったり、汚くなる。

パーマは、失敗したら取り返しがつかないし、

ヘアカットならなおさら責任が大きい。

ブローって、失敗してもリスクないし。簡単じゃんみたいな。

やってみたら全然違いなぜできないのかすらわからない技術だったのです。

今思っても、アシスタント5年間、一度もブローを完璧にできたことはないと思いますし、叱られてばかりでした。ブローを褒められたことはほとんど記憶にない。

アシスタントで習う基礎的な段階では

基礎カットは一度正しく覚えれば、答えがある。ゴールがある。

ブローのゴールって、綺麗にできる程度じゃないんですよね。

同じことしても上手い人は、とことん上手い。できない人はとことん出来ない。

仕上がりに近い技術ほど難しい。

つまりお客様のその日の評価に繋がる仕事だから、スタイリストの代理で乾かした時なんか、ほぼ後で直されますし、その日のカウンセリングしたヘアスタイルそのものにならないといけないから、そのスタイリストさんの思い描いている髪型と、完全に一致しなければいけない仕事なんて、相当難しいわけです。

普段どれだけ仕事をしながら先輩のブローや仕上げを観察できているか、というポイントが、上達の第一歩っだったりします。普段見ていないといきなりやれと言われても、なんとなく自己満で終わってしまう。

勘のいい人は、ずっと前から気づいてる。勘の悪い私は、言われてから始める。何年分の差がつくわけです。

ブローを綺麗に仕上がらないとは、美容師同士の中では、まだまだなのです。綺麗を見るという目自体が育っていないということになるのです。

ヘアデザインで基礎がヘアカットならば、ブローは再現そのものなわけです。

言い方を変えればどんなヘタクソなカットも、ブローが上手なら綺麗に見えてしまいます。

ハサミを握るようになって10年少しが経ちますが、なるべくブローしやすいようにヘアカットします。パーマをかけます。カットしたものを再現するのがブローです。上手なブロー抜きでは綺麗な仕上がりにはなりません。我々がブローする時は、なるべく家で再現していただけるブローの仕方を伝えます。

お客様のブロー技術が少しでも上手になれば、それだけ家でも綺麗が持続できます。そして毎日楽しむことができるのです。

アシスタント当時、ブローを習得することだけに一生懸命になり、スタイリストになってからは、お客様にいかに楽しんでブローしていただけるか?伝え方を日々工夫しています。

ブロー技術って美容師からしても、お客様からしてもなくてはならない大切なものです。